カードの誕生
紙の札は中国で生まれ、確実な文献の初出は1120年です。おもしろいのはヨーロッパへの到着のしかたで、記録が1370年代に一斉に現れます。1371年のカタルーニャの文書に「naips(札)」という語、1377年にはスイスの修道士ヨハネス・フォン・ラインフェルデンが、4つのスートと数字札・絵札という、いまとほとんど同じ構造をくわしく書き残しました。1379年イタリア。そして1380年までにフィレンツェ、バーゼル、パリ、バルセロナ——わずか数年で大陸中に散っています。紙は軽くて、船に積めて、真似して刷れる。遊びが「速く広がるもの」になった最初の瞬間です。